紙で読んでいる漫画Vol.3「なんだこの人生」

紙で読んでいる漫画

入川 枕が皆さんと漫画との縁を1つずつ丁寧に結ぼうとする本企画。

第3弾は、橋本ゆのさん作「なんだこの人生」です。


中央:藤井香奈子

書籍情報

出版社:KADOKAWA

連載状況:完結

単行本:全1巻

「紙で読んでいる漫画」の企画概要はこちらの投稿をご覧ください。

この記事を書いた人

入川 枕

入川 枕(いりかわ まくら)
福島県 生まれ/岐阜県 育ち
名古屋外国語大学 外国語学部 日本語学科 卒業
WEBライター検定3級

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3つでサクッと!推しポイント

1.「社会人オタク」に読んでほしい

オタクにとっては推しの誕生日が最重要であり 自分の誕生日を祝うなんてどうでもよいのである

「なんだこの人生」3章 社会人とオタ活 誕生日を迎えるということ 橋本ゆの

特に新しいものは腰を据えて観なければいけない気がして なかなか手が出せなくなってきてしまった…

「なんだこの人生」3章 社会人とオタ活 アニメを観る体力が減じてきてる 橋本ゆの

引用は表紙の社畜OL、藤井香奈子の台詞。

皆さん、思い当たる節はありませんか?

枕ですか?枕は思い当たる節しかありません。

学生は、時間があるけれど、お金がない。

社会人は、お金があるけれど、時間がない。

仕事に時間と体力を吸われ、オタ活という個性が薄れていく日々…。

書いているだけで涙が出てくる、他人事ではない生活が繰り広げられています。

2.応援したくなる社畜OL

上司の理不尽な叱責、結婚を急かす親の圧、癒しとストレスが表裏一体のSNS…。

藤井香奈子は、鋭利な現実に晒されながらも、逞しく作中を生きています。

一人焼肉に行ってみたり、初めてジムに挑戦したり、断捨離をしたり…。

タイトルと表紙に反して、彼女はアクティブに自分を変えようと奮闘します。

しかし、多くのエピソードが共通のフレーズで締め括られます。

「なんだこの人生」

待ち構える虚無の数々に、感情移入必至です。

3.「私だけじゃない」覚える安堵

枕自身、適応障害です。

※本記事で紹介している作者さんと作中の登場人物は適応障害ではありません。

記事を投稿したところ、多くの方が読んでくださいました。

自分と似たような症状でも、前に進まんとする方が沢山いらっしゃる。

心強く感じました。

藤井香奈子の生活を覗いている内、「私だけじゃない」と安堵を覚えます。

現代社会で生きにくさを感じている皆さま、心のお守りにこの1冊を読んでみてください。

まとめ

いかがでしたか?

「フードコートで、また明日。」に続き、「なんだこの人生」も1巻のみの作品です。

お手に取って頂きやすいのではないでしょうか?

虚無と戦う全社会人へ届きますように。

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